老ノ坂へ(53)

 いつのころからか、漠然と60才の定年まで働けば、安穏とした老後が来る時代は、とうに終わってしまいました。その節目の記憶ははっきりしませんが、死ぬまで働く…というよりは、言い方を少し変えて、瀬戸際であっても、老練ぽく活躍しなくてはいけない世の中になりました。滑舌が悪くなり、耳が遠くなり、細かい文字が見づらいなか、経験と勘、そして独特の当てずっぽを駆使していく訳です。70才近い俳優が現役の刑事を演じるのですから、一見65才でも57才の私はまだまだ、ゴールは見えてきません。そして、私の世代は「昭和は良かった…。」なんていつまでも言ってられないし、時代遅れの人種なんでスマホは使いません…では許されません。逆に、駆使していかないと、コミュニケーションは取りにくいし、慣れない土地でのナビや電車・バスでの移動には欠かせないアイテムです。調べものにも便利ですし、手が汚れるポテトチップスなどの菓子類が敬遠されるのもわかります。でも、怪しいメールは困りますね。いつの時代にも便利を悪用する人はなくならないものです。実害のある迷惑メールも横行しているようです。進学だけに絞ったハイレベルな勉強は塾や予備校に任せているなら、もっと道徳の時間を増やして、真人間を育てることに税金を使ってほしいものです。