Daily Archives: 2012年12月23日

さらば、「さわやか流」

 日本将棋連盟会長の米長邦雄永世棋聖が先日、18日の午前、前立腺がんのため都内の病院で69歳で逝去されました。史上3人目の4冠や史上最年長での名人位奪取や、数々のユニークな発言、名言等、話題に事欠かない将棋界の重鎮でした。特に1993年(平成5年)の第51期名人戦では、7度目の挑戦にして、宿敵というか天敵の中原誠から4-0のストレートで悲願の名人位を奪取しています。49歳11ヶ月での獲得、50歳での名人在位は現在でも史上最年長記録残となっています。タイトル獲得数は19期で歴代5位、棋風は、ピンチになると自陣の駒を複雑に配し、粘り強く逆転を狙うことから「泥沼流」とも言われましたが、人柄は「さわやか流」と称されています。引退後は連盟会長として名人戦の朝日新聞と毎日新聞による共催や瀬川晶司のプロ入り試験等、賛否両論があるにしても実績を残しておられます。名実ともに棋界を引っ張って来られた方だけに惜しまれる急逝です。明日は告別式で葬儀委員長は将棋連盟専務理事の谷川浩司九段が務められます。謹んでご冥福をお祈りします。

 「泥沼流」と「さわやか流」は両極の様な気もしますが、仕事においてもどちらかだけでは成り立たないものです。「泥沼」を経験してこそ、「さわやか」が判るのだと思います。