Monthly Archives: 9月 2012

新・そば処⑤

 今日で9月も終わりで、本日は最終日ですので毎月ある“そばの日”ですね…。近鉄奈良線の富雄駅の北に徒歩5分の場所にこのお蕎麦屋さんはあります。民家を改装したお店で、案内がないと見過ごしてしまいそうです。昨年オープンしたお店で、ご近所の方か、わざわざ手打蕎麦屋さんを探している様な人が訪れる感じです。隠れ家的な雰囲気で店内は非常に落ち着いていて、カップルでゆっくりとしたランチなんかにオススメです。もちろん、蕎麦も美味しいでのですが、かやくご飯や、かき揚げ、出し巻なんかの脇役もなかなかグーです。手入れされた庭には池があって、ヒメダカが元気よく泳いでいました。「奈良に都会は無い…。」と言う方もいらっしゃいますが、ここは静かなオアシスでほっこりします。

良き隣人

 一昨日の昼過ぎに、無事、中国・上海から帰国しました。渡航前の心配がうその様に、特に問題はありませんでした。そして、日本と中華人民共和国とが国交を結ぶこととなった日中国交正常化の調印は、1972年の本日、北京で行われています。「日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明」の調印式において、田中角栄と周恩来両首相が署名し、成立しています。今年はその40周年の節目ですが、両国間の諸問題が深刻になり、9月27日に予定されていた記念式典が中止(延期?)になったことが23日にニュースで報道されていました。

 現状の問題をここでこれ以上触れると「ブログ炎上?」になりますので、今回は論語についてコメントします。論語の里仁篇の中に“徳不弧、必有隣(徳は弧ならず必ず隣あり)”という言葉があります。意味は「徳を守る者(人格者)は、時には孤独を感じることもあるが、徳を行っている限り、人は決して孤立するものではなく、必ず良き隣人たる理解者、共鳴者が現れる」という内容です。簡単に徳を行うと言っても難しいものです。この徳には、ひっそりと誰にも知られずに善行を行う「隠徳(いんとく)」が仏教などでは求められます。でも、そのような隠れた善行を他人が判ってくれるのか?と言うと、そうでなくても大丈夫なんです…と教えています。それは「陰徳」を重ねる人間はその人の人間性の向上を目指すものであり、他人や世間の評価を期待しての善行ではないからです。ここが難しいところで、黙々と徳を積み重ねる事ができる人には安易な称賛は必要ないし、それを期待もしていないでしょう。こうして、論語にしても仏教にしても大陸や半島から伝わり、学んだ事です。歴史の認識や国の面子等もあるでしょうが、いずれにせよ、お互いに良き隣人でありたいと思います。

 写真は上海の浦東国際空港に展示してあった「鼎(かなえ)」です。一般的には3本の脚がついている古代中国の金属製の器で、土器もある様ですが青銅器が有名です。これはレプリカでしょうが、日本に伝わった鍋の原型ですね。

法隆寺駅西のトンカツ定食

 法隆寺駅前の定食屋さんを何度となく紹介していますが、先日はお休みでしたので駅から西に少し行った喫茶店でランチをしました。その時に食べたトンカツ定食です。岡山のデミグラ丼を彷彿させる様な濃いめのトンカツソースがたっぷりかかっていました。店内には「斑鳩(いかるが)の里」なる法隆寺を中心としたこの地域のパンフレットが置いてありました。そのパンフレットによると「斑鳩」という名は昔、イカルというムクドリくらいの鳥が群れをなしていたと書かれています。鳥のイカルの写真は西播磨の「斑鳩寺」にも飾ってありました。イカルの名の由来は鳴き声が「イカルコキー」と聞こえるからという説もあるとの事でびっくりです。一度、聞いてみたいものです。

真・課長の壁⑥~身銭~

 久々に論語からです。『子曰、如有周公之才之美、使驕且吝、其餘不足觀也已矣』巻第四 泰伯第8章の11にある言葉です。「たとえ、すぐれた才能を溢れるほど持ち合わせていても、高慢で威張っていて、さらにドケチで、自分の利得ばかりを気にしているようなら、人間として評価に値しない…。」と言う意味です。世の中には自分の損得勘定しかできない人がいます。ある意味、正直者かもしれません。他人が美味しい料理を食べても自分の得にはならないし、部下との食事に身銭を切って、御馳走したとしても、どうして自分の徳になるのか?と考えると割り勘の方が気持ちが良い筈です。ただ、リーダーやマネージャーになる人が総て、損得勘定だけで動いたりする事が多いと、部下も含めて、周囲が困りますね。

 心から本当に人間同士の長いつきあいをしたいと思うなら、自分のお金を使う必要があります。会社のお金でも個人のお金でも「交際費」は慎重に使う事が大切です。ただ、“金の切れ目が縁の切れ目”でもあります。人との縁や絆を大切にして、良好な人間関係を築き、楽しく生 きていこうと思うなら、そこで必要な「交際費」を惜しんではいけません。身銭を切るという行為は自己投資と考え、自分の将来に繋がると考えましょう。

金魚の故郷

 中国などでは食用に養殖されているギベリオフナは日本産ではギンブナに近い品種とされていますが、このベリオフナの色変わり突然変異個体がヒブナで、そこから育種された観賞魚が金魚となります。金魚は長江下流域の浙江省近辺が発祥の地とされ、魚類の飼育としては最も古い歴史となります。中国での飼育は南北朝時代には既に始まっていたといいますが、5~6世紀ですからまだまだ一般的なものではなかったと思われます。宋代に入ると養殖が盛んになり、明代には品種も数多く増えています。

 中国の金魚は長らく皇帝や貴族等の支配階級によって飼育、愛玩されてきたものであったため、景徳鎮の陶磁器などとともに文化大革命の嵐が吹き荒れると、金魚は「旧文化」として非難の的になり、攻撃や破壊がなされ、生産や流通、飼育ともに壊滅的な打撃を受けています。生産者はその家族まで帝国主義者 として糾弾され、浙江省の養魚場もことごとく破壊されました。金魚も大量に処分され、中でも貴重かつ高級な系統の親魚が多く失われました。この事により、金魚生産は回復不可能になっています。この大打撃で、金魚の歴史は断絶し、生産者は文化大革命終結後も経済的に非常に苦しい 状態が続きました。しかし、1978年(昭和53年)8月に日中平和友好条約が調印され民間レベルでの交流が始まると、日本の金魚生産者が浙江省などで親魚の提供や技術移転を行い復興に協力しました。その甲斐あって、日本と同じ様な大量生産もスタートし、改革開放政策実施後には 庶民に流通するようになり、今日では中国伝統の特産物の一つとされています。中国では「金魚(きんぎょ)」の発音は、「金余(きんよ)」と現地の言葉の発音が類似しているため、縁起の良いものとされ、広く普及している背景の一つとなっています。

 実は私は昨日から17回目の中国渡航で上海に来ています。現在、両国間は政治の世界では何かと問題がありますが、民間レベルの交流は良好かつ友好的でありたいと思います。

京町堀のカツ丼

 町名として残る大阪市西区の「京町堀」はもともと旧西横堀川と旧百間堀を結ぶ長さ1.1㌔㍍、幅15㍍の運河の事で戦後、昭和30年に防潮堤工事のため埋め立てられています。大坂の役の後、その戦功により摂津大坂藩10万石の藩主となった松平忠明(ただあき)が大阪城主として入封してきました。そして、戦災復興や人口来住の政策の一環として、伏見京町から移住してきた町人らが開発した場所であることに由来しています。松平忠明は道頓堀の名付親とも言われ、京町堀川・江戸堀川・道頓堀川の開削工事を進め、都市計画としての市街地の拡大を積極的に進めています。この摂津藩の後、奈良の大和郡山藩12万石へ加増移封されています。郡山藩主時代には短い期間ではありましたが、剣術の達人・荒木又右衛門を家臣に取り立てたりもしています。

 写真はその「京町堀」にあるティールームのランチです。本当はチキン竜田の定食や丼が名物メニューみたいなのですが、投稿を意識してカツ丼にしました。最近、ソースカツ丼が連続していたので、普通のカツ丼はなつかしい味がしました。場所は京町堀1の交差点を東へ一筋目、阪神高速の手前を南にすぐです。

正倉院現場見学

 昨日は雨の中、奈良の正倉院の現場見学会に行ってきました。今回で第2回目となる正倉院の正倉整備工事の現場公開の見学の申込みは約2ヵ月前の7月にあって、9月23日(日)で応募しておきました。結果が宮内庁のホームページに掲載され、応募通数5,828通,応募総数14,391人で、抽選の結果23日の午前9時の76通の中に当選しました。当選した応募通数は1,863通で3倍の難関(?)を突破した訳です。

 正倉院は元は東大寺の倉庫でありましたが明治以降、国の管理下におかれています。正倉は高床の校倉造(あぜくらづくり)倉庫で奈良時代の八世紀中頃に創建され,1200年以上の歴史を有する国宝指定(1997年5月19日)の建造物です。大正2年に実施された解体修理から100年の経過で、傷みが少しずつ進行していて、雨漏り等が懸念される状態のことで、昨年度より屋根の葺き替えを主とする整備工事が実施されています。その中で、文化財建造物の保存修理について理解を深める場として、工事期間中に計5回の現場公開が予定されています。今回、第2回目として、屋根瓦をおろした正倉の様子を間近で見学できました。国宝の建造物217件の内の一つの正倉院正倉はこうした見学会でもないと見に行けないと思っていただけに良き一日となりました。見学会場にはこの時期だけエレベーターがあり、車イスにも対応しています。 

 今年、第64回を数える正倉院展は10月27日(土)~11月12日(月)まで開催されます。これを楽しみにしている人も多く、少し早めの紅葉とともに奈良、京都が賑う季節でもあります。

富平駅

 韓国の協力工場の最寄駅の一つに「富平(プピョン)駅」があります。地下鉄1号線がソウル市内から乗り入れていますが、KORAILこと韓国鉄道公社の京仁線と仁川交通公社の1号線の駅です。韓国の地下鉄の駅は地上であっても保安用にフルスクリーンタイプのホームドアが設置されています。ホームからの転落や列車との接触事故を防止する為のものですが、当然、列車の写真が撮れません。たまたま、改札口近くから撮影できたラッキーな一枚です。ホームドアを駅に設置すると当然車両側のドアも同じになりますね。JR西日本の東西線の北新地駅では転落事故が多く、昨年の春にホームドアが設置されました。よって、奈良~尼崎間の直通快速は3扉車の223系から4扉車の207系や321系に置き換えられましたね。4扉車のロングシートは7人掛です。各鉄道会社は何とか7人が座れるように案内をしたり、座席の色や形状にさまざまな工夫を考えています。そういえば韓国の地下鉄ではほぼ、きっちり7人座っていました。

 富平駅前の地下には韓国最大級の地下商店街があり、地上には若者向けの繁華街や昔の市場があるとの事です。しかし、観光ガイドにもあまり掲載されていないせいか、日本人の観光客は来ない様です。韓国旅行情報の専門サイトのKONESTでのエリアガイドでは富平はありますが、グルメなどは何もヒットしません。ですから、面白いという感覚が最近出てきましたので機会があれば、散策してみたい場所です。

仏陀の教え⑯~無我無畏~

 人間は基本的には自己中心的に物事を考えがちです。自分の経験や知識、思考をベースに世の中の事を考えたり、人間関係を構築します。そういう意味では自分の物差しが頼りです。そこには、自分つまり“我”の存在があります。自分の考えを押し通して譲らない意味の「我を張る」の“我”ですね。この“我”が正しかったり、周囲とバランスが取れている場合は問題がないのですが、そうでなくなった時には不協和音の鐘が鳴り出します。上下関係のある職場やチーム、サークル等では“我”を張る“長”の意見が通る場合もありますが、うまく行かない場合には通された方には不満が残ります。そして、今度は“我”ゆえに通していた側の人間も不平に思い、悪いのは自分ではないという逃げに走ってしまいます。また、疑心暗鬼に陥ったり、疎外感も生まれてきます。すべて、自分の“我”が生み出していることにも気が付かずに…。

 「無我無畏(むがむい)」の“畏”は恐れという意味です。“我”を無くせば、“畏”も無くなり、不安や悩みから解放されるのです。人間は“我”と言う自分に拘ると、周囲とう上手くいかなくなります。そして、上手くいかない状況を、例えば役職が上である事でごり押しをすると軋轢が生じます。時には“我”を捨てて他人に意見に耳を傾け、思いや考えを受け入れてみるのも必要です。そうする事によって心にも思考にも「余裕」が生まれます。結果的には自分の成長にもつながります。

 私は野球の経験こそ草野球くらいしかありませんが、長男、次男の少年野球の引率にはそこそこ参加していました。審判や球ひろい、グランド整備等、保護者全員が取り組み、上下関係も何もありません。現在、卒業して野球部とは縁がなくなったのですが、なぜか保護者会が年に数回あります。組織の中にいる私にとって保護者以外の何者でもない集まりはとても新鮮で、自分を見つめ直せる良い機会となります。

二躰の半跏思惟像

  IMG_1407IMG_1413半跏思惟像(はんかしゆいぞう) というと京都の広隆寺や奈良の中宮寺(寺伝では如意輪観音)の弥勒菩薩が有名ですが、韓国の国立中央博物館にも二躰の半跏思惟像 があります。国宝 第78号と83号の金銅(クムドン)弥勒菩薩半跏像(ミロクポサルバンカサン)が交代で展示されているようです。2009年にもこの博物館にチラッと立ち寄った時には確かもう一つの国宝第83号だった記憶なのですが、今回は写真の第78号でした。そうなんです…この博物館は無料ですし、フラッシュを使用しなければ写真撮影が可能です。この金銅弥勒菩薩半跏像は、右側の足を左の膝の上に上げた半跏の姿勢で座っておられ、左の手を右の足の上に置いて、右の肘を膝の上にのせて、そっと指を頬に当てて思索にふける姿です。このようなお姿の仏像を一般的に「半跏思惟像」と言います。半跏思惟像は、仏典の中でお釈迦様が太子(王子)だった頃、宮殿で安楽に暮らされていましたが、ある日宮殿の外には生老病死という苦痛の人生があるという事実を悟り、人生の無常さを感じられました。このような苦痛から衆生を救済する為の方法を探して苦悩する太子思惟像に由来していると言われています。場所は地下鉄二村(ニチョン)駅から徒歩5分で、ソウル市内のソウル駅や明洞から10分~15分のアクセスです。